私たちの当たり前

100%自社醸造。自然と共に“美味しい”を醸しております。

想い13代目の未来に繋ぐ想い、そして、使命

「昔ながらの本物の醤油・味噌が造りたい」という強い気持ちで醤油・味噌を醸しています。私は生後間もなく身体中に湿疹ができました。
診断の結果、アトピー性皮膚炎と診断されました。
5歳から14歳の9年間は特に酷く、症例モデルになりそうな程でした。
私のアトピーはその後、成長と共に体質が改善され、成人になった頃には完治していましたが、
成人してもアトピーに苦しんでいる友人が何人かいました。
幼い頃は何故アトピーになったのか?いつも考えていましたが大人になって、アトピーで苦しんでいる友人をみて、
どうして、アトピーという病気にかかるのか?改めて考えたとき、自分の中でいくつかの原因に起因するのではないか?という考えに思い当りました。
大きな問題として環境に起因する場合と食生活に起因するのではないかと考えました。
というのは昔(明治以前)の人達にアトピー性皮膚炎という病気はなかったのではないか?と思ったのです。
そこで、昔と今(現代)の大きな違いは何か?と考えた時に環境と食生活が大きく変化したのではないかと考えたのです。
現代は多くの自然を失い、食生活も化学調味料がたくさんあふれています。
私には失った自然を取り戻すことは出来なくても、醤油・味噌製造者として、
自分が造るものにおいては昔ながらの自然な形で造っていきたいと考えるようになりました。
皮肉かもしれませんが、アトピーで嫌な苦しい過去があったことで食に対する意識が芽生え、
真っ当な本物の醤油・味噌を醸すことが自分に与えられた使命だと強く考えるようになりました。

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そこで、蔵に入った2002年度の仕込みの時より、社長にお願いし、杉桶に昔ながらの大豆と小麦と塩だけで造る醤油を仕込んだのが始まりでした。
もちろん、自然の四季を感じる天然醸造で一切の添加物も加えておりません。
意識したのは原料を厳選するところから始まり、大豆は地元の契約栽培農家の方よりフクユタカ(1等級相当)、
小麦は愛媛県産のチクゴイズミ・ミナミノカオリ(いずれも1等級)、塩は徳島県鳴門産の海水を汲み上げたもので、
地元のものを意識して選別しています。梶田商店はこの地元で140年以上も醤油を醸してきて、地元の方々に支えられてきました。
美味しい醤油が造りたいという理由だけで良質な原料を地元以外に求める必要があるのか?と考えた時、
自分達が培ってきた醤油製造の技術・経験・誇りで美味しい醤油が造れると確信し、
原料は地元のものを使用すると決断しました。(決して自分たちの製造技術を奢っている訳ではありません。)
それに加えて、梶田商店では醤油製造において、手間と時間をかける昔ながらの製法で醤油を造る技術・職人がいたのも大きな助けになりました。
私が思い描く美味しい醤油とは料理の主役である素材の味を引き出し、
料理の味を一段でも二段でも美味しく引き上げてくれる名脇役でどんな料理にも合う醤油が本物の醤油だと考えます。
スーパーの無かった頃は各家庭でおふくろの味が存在していましたが、現在は出来合いの味とでも云いますか、
どこへ行っても同じような味になってしまっていると思います。
私は巽醤油をきっかけにもう一度、家庭の味「おふくろの味」「本物だけが持つ美味しさ」を取り戻したいと考えています。

13代目梶田泰嗣

素材私たちは生産者の顔が見えるものづくりを目指します

梶田商店では主原料である「大豆」「小麦」「大麦」「裸麦」「もち麦」「米」「塩」は全て、
産地・産年・品種がわかるものを使っています。
美味しいもの造りを目指す上で、どんな原料を取り扱うか?という問題は避けては通れません。
私たちはどんなものでもなんでもいいという風には考えられません。原料のポテンシャルで、製品の良し悪しが決まると考えています。
美味しいもの造りの初めの一歩は原料を選定することから始まります。
その中でも「大豆」「小麦」「裸麦」「もち麦」「米」はすべて地元「愛媛産」のものを使用し、「はだか麦」以外は全て生産者を把握しています。
愛媛で手に入らない「大麦」は岡山産・香川産・佐賀産を季節に応じて使い分け、「塩」は徳島県鳴門産の海水を汲み上げて作られたものを使ってます。
原料がどこからどのようにしてやってきたのか?まったく分からないものよりも少しでも情景が思い浮かんだり、
出来れば生産者の顔が見えてくるものを使いたいと考えます。

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造り小さい蔵だからできること、自然と共に、多くのご縁と共に

私たちは醤油・味噌造りにおいて、大手メーカーさんのような近代的な作業工程で製造するのとは違い、
家内制手工業に近い形で醤油・味噌を醸しています。
昔ながらの製法を守っていると言えば聞こえはいいかもしれませんが、実情は近代的な設備投資が出来ずに、
今に至っている部分が大きかったりします(笑)。
しかしながら、人が関わる中で必要以上に手をかけるのではなく、より自然との調和を目指しながら造りを行っています。
私たちは造りの中で酵素や酵母を添加して醗酵を促したりすることは一切していません。
私たちが製麹した麹菌の酵素力と代々蔵に棲みついている蔵付き酵母の働きで醗酵が行われます。

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私たち人の手でやれることはいかに酵素力の高い麹に製麹を導くことで、諸味になれば、見守り観察することのほうが多く、
自然に任せ、頼る部分が多くなります。よりよい美味しさを求め、自然と共にもの造りを進めています。
私たちは醤油や味噌を製造している一加工業者でしかなく、私たちだけで醤油や味噌をみなさまに味わっていただくことは出来ません。
製造者は梶田商店ですが、私たちに原料を供給していただく「農家」さん、出来上がった製品を販売していただくパートナーである「販売店」さん、
使っていただく「飲食店」さんや「生活者」のみなさま、それぞれが互いに理解し合い、尊重する関係の中で活かされているだけです。
自然の力やいただいた御縁に感謝し、これからも真摯に粛々と醤油・味噌を醸し続けます。

守り伝えるもの私たちは日本の食文化の一翼を大きく担う蔵でありたい

“TATSUMI convey Japanese food culture”
私たちは日本の食文化の一翼を大きく背負う蔵でありたいと本気で考えています。
少し大袈裟な言い方をすれば、飽食の現代では「おふくろの味」や「本物の味」の存在が少数派を占め、年々少なくなってきている。
もしかすると灯が消えかけているように感じませんか?
ありがたいことに現代では、お腹が空けば、どこでも簡単に空腹を満たすことは出来ます。
時間に追われることが多くて、何故だか食の場面にそのしわ寄せが来ているように感じます。
食卓の団欒も少なくなってきたり、調理の簡素化だったり、調理することさえなかったり。
「生きることは食べること」が原点だとすれば、現代の私たちがどれだけ食事を大切に考えているのでしょうか?
私たちは身体と心がバランスよく保たれることで健全で居られます。
梶田商店では身体だけでなく、心も充たされる美味しさはもちろん、滋味深い味わいを提供していきます。

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